発想の原点はお茶碗です。 表面に浮き出ている文様やお茶碗自体の形は、それが表す自然の不完全さにより、豊かな表現がなされていると言えます。この揺らぐ模様をCNCルーターという最新鋭の木材加工機械を用いて合板という身近にある安価な材料で表現しようと考えました。 日本の伝統的な茶室は内部の光をコントロールするために非常に合理的に窓の位置や壁の色などを決めています。この伝統的な建築を現代の技術の文脈の中で再解釈し表現しました。 にじり口や窓を波のゆがみや密度、奥行で表現しました。外から見ると開放的に見えますが、畳に座ると視線の高さには外の景色があまり見えずに上から光のみが入ってくる空間です。
新建築2010 10月号に掲載 新宿のオゾンリビングセンターにて展示 東京ビッグサイトの木材展にて展示