RC壁式|延べ床:300㎡|地上3階|店舗|愛知県名古屋市那古野|
那古野交流拠点
Nagono Exchange Hub
四間道の記憶といまをつなぐ、小さな分棟の交流拠点。
町家や土蔵の風景を尊重しながら、路地ににじむ店と人の関係性を育み、歩いてめぐる楽しさを街全体へひろげます。
江戸期からの町家と東側土蔵、屋根神が見守る四間道の時間に敬意を払い、点在する賑わいを“歩きたくなる面”へ編み直す——それが本計画です。
外廊下や坪庭が店先をゆるやかに街へ開き、顔の見える距離感を生み出します。
複数の小さな店舗が連なる分棟構成は、那古野の「懐の深さ」と多様な嗜好に応える受け皿となり、再訪を誘う回遊をつくります。
10年先のポテンシャル(名駅徒歩圏・リニア開通が見込まれる将来)を見据え、歴史と新しさがほどよく混ざる風景を、次の百年へ。



通りのスケールに呼応する分棟のプロポーション。格子と軒の陰影が、路地のリズムをやさしく継ぎます。角を曲がると現れる複数の入口と縁側の連続。店の気配が路上へにじみ、歩く速度が少しだけ緩やかに。分棟+外廊下が編む回遊動線。小さな店の集積が、点から面へと賑わいを広げていきます。



町家の奥行きを受け継ぐ、コンパクトな間口と奥のひらき。素材の素直さが商品と人を引き立てます。“顔が見える”距離感のショップ。小ささを魅力に変える、手触りの良い空間。四間道の町並みに合わせた高さと開口のリズム。新旧が無理なく同居する端正なファサード。



裏手の生活動線に寄り添い、光と風を通す構え。周縁の環境まで視野に入れた“もう一つの顔”。建物と外部の余白がつくる“居場所”の散りばめ。回遊の途中に小さな発見が積み重なります。坪庭が内外をやわらかく接続。四季の移ろいが店先へ届き、滞在の時間を深めます。