通りのスケールに呼応する分棟のプロポーション。格子と軒の陰影が、路地のリズムをやさしく継ぎます。角を曲がると現れる複数の入口と縁側の連続。店の気配が路上へにじみ、歩く速度が少しだけ緩やかに。分棟+外廊下が編む回遊動線。小さな店の集積が、点から面へと賑わいを広げていきます。

 町家の奥行きを受け継ぐ、コンパクトな間口と奥のひらき。素材の素直さが商品と人を引き立てます。“顔が見える”距離感のショップ。小ささを魅力に変える、手触りの良い空間。四間道の町並みに合わせた高さと開口のリズム。新旧が無理なく同居する端正なファサード。

 裏手の生活動線に寄り添い、光と風を通す構え。周縁の環境まで視野に入れた“もう一つの顔”。建物と外部の余白がつくる“居場所”の散りばめ。回遊の途中に小さな発見が積み重なります。坪庭が内外をやわらかく接続。四季の移ろいが店先へ届き、滞在の時間を深めます。